まねきねこに紛れて
お店、浜松印章の植松町店には、ご覧のようにまねきねこを飾っています。ほとんどが、次男のコレクションです。猫好きです。
その中に、優勝カップが紛れています。
実は、私が、かれこれ20年ほど前にいただいたものです。
神奈川県の印章職業訓練校にいた私は神奈川県技能フェスティバル、技能コンクールという催しに参加することになりました。様々な専門学校生が技能競技に臨むイベントに、私をはじめ印章彫刻をする若者はゼッケンを付けて一斉に彫るわけなんです。そこで印章彫刻の部で
神奈川県知事賞をいただいたのです。
まさか賞をもらうなんて、思っていない私は、実技が終わると同時に同級生と横浜に遊びに行ってしまったんです。せっかく横浜だし、賞は神奈川出身の先輩がとるでしょう、閉会式に間に合えばいいか、ぐらいの調子でね。
授賞式・・・私、いないわけです。先生方困ったそうです。閉会式も思ったより早く終わったそうで、私が戻ってきて「どこ行ってたんだ~」と、言われ、事実を教えていただきました。授賞式は、小柄なかわいらしい顔をした後輩が代わりに出てくださったそうです。今でも、彼のはにかんだ顔は忘れられません。ごめんね。
その後、仕事をしながら、育児や家庭のことをしていて、このままでいいのかな?とは思いつつ、技能に関する資格や賞とり?などから離れていたんですが、10年ほど前の大掃除に、この優勝カップを床に落としちゃって、カップの首が曲がっちゃったんです。私の力では直らないので、そのままにして置いて、見るたびに笑っちゃいけないけど、首をかしげているような優勝カップは滑稽でした。
ある日、父が一生懸命その首を直しているのを見たとき、何とかしなくては!と奮起し、一年きっちり勉強しなおして、国家検定一級印章彫刻士の資格を見事とることができました。
篆刻をやっていたし、まるっきりはんこから離れていたわけではないので、試験も実技も、さほど難なく?こなせました。試験は、文字や歴史、ゴム鋳造などが問題に出ました。
実技は、回文。会社の実印を字を入れて彫り上げるというのを時間内にあげるというものです。文字は辞書で調べてはいけない、頭に文字が入っていないとできません。あと、版下。彫りゴムの基というか、住所印を雁皮(がんぴ)に墨で書くんです。試験中は、普段どおり、緊張せずできたので、よかったです。優勝カップが導いてくれたかもしれません。(画像は回文の見本)
それから10年経って、今回、磐田市芸術祭で特選をいただいたので、これをきっかけに、またいろいろがんばりたいな~と思っています。
また、いい報告ができたらいいな♪。
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